会津朝日岳   福島県 1624m       二百名山   
 

2017年10月8日(日)

 人混みが苦手なので連休に出歩くことはなるべく控えるようにしている。しかし賞味期限の短い紅葉時期はそうも言っていられない。山は逃げないが、木々の葉は待ったなしで散ってしまうからだ。絶好の山日和となった体育の日の連休はちょうどそんなタイミング。比較的近場にありながら、これまで足を向けることの無かった南会津の二百名山、会津朝日岳と帝釈山のふた山をこの機会に訪れてみることにした。

 近場とは言え、自宅から会津朝日岳の登山口、「いわなの里」までは300Km弱もある。いつものように夕食後仮眠をとって深夜に自宅を出発。夜明け前に「いわなの里」に着いた。登山者用の駐車場はその少し先の広場。予想に反して先着の車はせいぜい数台だけと閑散としている、、、と思ったのは早計。出発の準備をしている間、後続の車が引きも切らずやってきた。この調子では満車となるのも時間の問題だろう。

 晴れの予報に反し天気は小雨模様。降り止むのを待ってから車を後にした。すぐに忘れ物に気づき引き返す。このロスタイムがあったので、実質的なスタート時刻は、午前6時15分だ。


赤倉沢を渡って出発


 赤倉沢に沿って暫く平坦な道が続く。小沢を過ぎ、左岸から右岸、右岸から左岸と赤倉沢を二度渡渉すると愈々急登が始まる。登山道は良く手入れされていた。道はジグザグに付けられ適度な斜度が保たれているので、とても歩き易い。


暫くは平坦な道 この時間まだ山は雲に覆われている


 三吉ミチギの水場で休憩中の先行者3人に追いついた。一礼し先行、休まずにマイペースで歩き続ける。ブナ林の中、展望もなく単調な上り坂に一息つきたくなる頃、人見ノ松に着いた。ここからの眺望は疲れを忘れさせてくれる。抜けるような青空の下、雲海に浮かぶ只見の山並みが美しく一幅の絵になっていた。


人見ノ松より雲海を臨む



同上


 まだ暫く急坂が続くが、標高1300mを越えた辺りから、今度は周囲の美しい紅葉が元気づけてくれる。急登が一段落したところで、叶ノ高手と名付けられたピークに到着。文字通り解釈すれば「夢や願いを叶える名人」といった意味合い。これも日本中の山によくある意味不明の地名の一つと思うのは私だけだろうか。


紅葉に癒される



同上


 この先には大クロベと呼ばれる黒檜の巨木が二か所で出てくる。いずれもかつては見上げるような見事な高木だったのだろうが、残念ながら今となっては倒れた残骸が通行の邪魔をしているだけだ。


途中で折れた大クロベ


 この辺りから眺める会津朝日岳は、人を容易には寄せ付けない城壁、要塞と言った様相だ。この山は、ふくよかでまったり系の多い南会津の山としては恐らく例外的存在だろう。


城塞のような会津朝日岳


 叶ノ高手から一旦下り、愈々山頂直下の急登となる。かなりの斜度に加え、泥濘か、或いは浮石だらけの岩場の二択という剣呑な斜面。私は前者を選択し、ロープを頼りに靴を泥だらけにしながら登り切った。


山頂直下の急斜面を登る



手前のピークより山頂(右のピーク)を望む


 9時45分、63座目の二百高山、標高1624mの会津朝日岳山頂に到着。頂はまさに城壁の上だった。崖マークだらけの地図が示す通り、周囲は急峻な壁また壁。今回登下行した登山道が唯一の選択肢として、この一本しか付けられていないことも頷ける。


63座目の二百名山



尾瀬方面 どれが何やら、、、



高倉山方面



見事な紅葉にうっとり


 この絶頂から浅草岳を初め、越後三山や尾瀬の山々が一望の下にあるはずなのだが、残念ながら部分的にガスに覆われ、私の乏しい経験では同定が難しかった。

 早めのランチをとっていると続々と後続のハイカーが登ってきた。失礼ながら、渋い山のイメージ通り、その殆どが私同様シルバー世代だ。ゆっくりしたいのは山々だが、皆様に限られたスペースを譲るため、山頂を辞すことにした。

 その後もハイカーが引きも切らずに登ってくるので狭い山道、すれ違いも大変だ。ガスは増々濃くなり、山々はベールの奥に隠れてしまった。叶ノ高手への約100mの登り返しに再び汗をかいた後は、単調なジグザグ道をひたすら下るだけ。


ガスがかかってきた山頂直下の急斜面を下る



あと一週間くらいで全山紅葉か


 登山口帰着は12時55分。ゆっくり着替えを済ませ、本日の宿、道の駅「きらら289」へと向かった。それにしても気になるのはGPS。この日も約1時間、信号ロストを繰り返し軌跡が完全に飛んでしまった。いったいどうなってしまったのだろう。


行動時間  6時間40分 


二日目 帝釈山へ


Map
今回もGPSが原因不明の信号ロスト
 Track
同左
Weather  Map 
  トップ                              山歩き 
inserted by FC2 system